病気の原因
一般的に間質性肺炎をひきおこす原因は実に多彩で、大きく分けても以下の種類があります。
a. 膠原病に起因するもの
膠原病の合併症として間質性肺炎が引き起こされる場合があります。特に強皮症、重複症候群、多発性筋炎、皮膚性筋炎の患者に発生頻度が高いようですが、その他の全身性エリテマトーデス(SLE)やリュウマチ性関節炎においても発生します。
b. 感染症によるもの
マイコプラズマ、ウイルスなどにより間質性肺炎が発症する場合があります。
c. 放射線に起因するもの
放射線治療が原因となるとして引き起こされる場合があります。
d. 職業または環境に起因するもの
無機粉塵
アスベストに起因するアスベスト肺、珪素に起因する珪肺症、炭鉱内の粉塵による炭鉱夫肺などがあります。
有機粉塵
カビ(トリコスポルン)によるもの、鳥の糞や羽毛に影響されとおこる鳥飼病、埃やカビの多い職業に従事している人がなる農夫病などがあります。治療方法は抗原からの隔離です。
e. 薬剤に起因するもの
抗生物質、抗がん剤、抗炎症剤、リュウマチ治療薬一部漢方薬(小柴胡湯が有名)等によって引き起こされる場合があります。対処としては原因薬剤の中止です。
f. 病気に起因するもの
類肉症(Sarcoidosis)、好酸球肉芽腫(Eosinophilic granuloma)、AIDSなどの病気により間質性肺炎が起こる場合があります。
上記については原因や背景となる疾患が判明していますが、発生原因が特定できない場合がものがあります、これらは特発性間質性肺炎(IIP
: Ideopathic Interstitial pneumonia)と言われます。また、特発性間質性肺炎自体も病理学的に見ると複数の種類に分類され、細分化されたそれぞれの種類によって治療法および予後(今後病気がどのような経過をたどるか)も異なります(後述)。
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