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治療方法

特発性間質性肺炎においては、ステロイド剤の効果が見込めるもにについては、ステロイド剤により病状の進行をとめるまたは改善(完全回復も含む)することが治療の目的です。また、「病気の分類と概要」でステロイドによる治療効果が悪いと書いた分類の間質性肺炎の場合は、急速に病状が悪化していない場合は、むしろステロイド剤による治療を行わず、在宅酸素療法により経過を見た方が良い場合もあるようです。特に、UIPに分類される慢性型の間質性肺炎については、残念ながら現在の医学での治療効果は不十分で、年単位でゆっくりと進行し、数年?十数年で呼吸不全が進むと考えねばなりません。

現在治療効果が認められている薬剤は、ステロイド剤と免疫抑制剤の2種類です。そのほか実験段階の薬剤がいくつかありますが、効果はいまのところ未知数です。 

1.ステロイド剤と免疫抑制剤

1.1 ステロイド剤

(1) ステロイドとは

腎臓の上部にある副腎という臓器の外側の部分、副腎皮質といわれるところで作られるホルモンです。そのため、副腎皮質ホルモンとも呼ばれています。
普通の状態でも常に体内で作られていて、体に対するいろいろなストレスに対処するなど生きていく上でとても重要な働きがあります。
このホルモンのうち、糖質コルチコイドという成分を化学合成したものをステロイド剤といって治療に用います。

★副腎皮質ホルモン剤と第二次世界大戦★
皮質ステロイドの発見・摘出は、第二次世界大戦の終期、米国で戦争時のストレス抵抗性の増加、疲労防止のため、多くの費用をかけてなされました。このため、下垂体・副腎皮質系は20世紀の医学で最も進歩した分野と言われています。

(2) 治療効果

ステロイド剤は、間質性肺炎の炎症に対して最も効果が期待できます。ただし、副作用も多く、典型的な両刃の剣となる薬剤です。したがって、治療を考えるときには治療効果と副作用とのバランスを常に考える必要があります。

上記理由から、ステロイドの投与は、最初、入院により医師による副作用の発現を含む患者の体調監視のもと行われ、ある程度ステロイド量が少なくなってきた時点で通院治療になります。

(3−1) 治療方法1(経口投与)

ステロイドの飲み薬により治療する方法です。投薬量は最初は大量に使い、だんだん減らして、少量を維持量とします。

実際には、間質性肺炎の治療でよく使われるステロイド剤であるプレドニゾロンの場合、0.5mg〜1mg/kg/day(kgは患者の体重)を初期量として連日経口投与し、症状および所見の改善後、1〜2週間毎に10%前後の割合で減量しながらある一定の低い量を維持量とするか、最終的には全く飲まなくするという方法が取られます。

投与方法は、ヒトの血中ステロイド濃度は、一般に定期的な日内変動があり、早朝に高く午後から低下し、夜中に最低のレベルとなります。従って、この血中濃度の生理的リズムに合わせた投与法が合理的です。例えば、 最初は、1日 2回経口投与で、 朝食後に多く、昼食後に朝と同様かそれより少量を投与し、 次に1日 1回投与とし早朝にのみ投与します。

うつ病との関連か、あるいは自然状態では副腎皮質ステロイドの血中濃度は朝高く夜低いという生体リズムを乱すためか、不眠に悩まされる場合もあります。

また、薬剤を投与した翌日は休薬日とする隔日投与法が、間脳−下垂体−副腎系の抑制を軽減する方法(人間が自分で副腎皮質ホルモンを出させるようにする方法)の一つとして適用されることがあります。 2日分の量を 1日目に投与し、翌日を休薬日として血中ステロイド量を 0にして生体からの副腎皮質ホルモンの分泌を促す方法です。

(経験談)
この病気になってから一番気になるのが小さな機械に指を挟んで測定する酸素値でした。酸素値は一般人は97,98の値ですが、治療中は瞬間的に80台がでてこともありました。ちなみに、一般的には90が酸素吸入をするか否かの判断数値になるそうです。

数値が92、3ぐらいで悩んでいたときそのとき、ある看護士さんは気づかれないように自分で指の血流をとめながら私もこんなものですよと無理やり95ぐらいを出して見せてくれたのが印象的でした。

また、ステロイド剤を飲んでから、その副作用で不眠になりました。ただし、寝ていないにも関わらず異様に頭はすっきりしてし、眠くなりません(米軍の目的もこれか?)。睡眠導入剤(レンドルミン錠)を飲んでも3〜4時間で眼がさめます。最近になって、まず、レンドルミンを飲まずに3時間ぐらい寝て(これは眠りが浅いが寝れる)、夜に起きて目が醒めて寝れない場合は(通常は寝れない)、レンドルミンを飲むと4時間ぐらい追加で睡眠が得られることに気が付きました。

−注意1−
どんなに注意していても飲み忘れということがあります。飲み忘れに気が付いた場合はすぐに服用します。もし、すでに次の服用時間になっていたら2回分服用することはせずに1回分だけ服用します。ステロイドを長期服用していると副腎機能が低下している場合が多いので、飲み忘れた時間が長いと症状悪化に繋がる恐れがあります 

−注意2−
副作用を恐れて勝手に減量したり、中止したりすると症状の悪化を招き、結局さらに長期間服用することになります。医師の処方を守ることが大切です。特に、連用後、急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショックなどの離脱症状が現れることがあります。

−注意3−
成人では、間脳−下垂体−副腎系の抑制(副腎皮質ホルモンがでなくなる)が生じる最小限はプレドニゾロン10mg/日と言われており、20〜30mg/日のプレドニゾロンを 1週間以上、またそれ以下も 1カ月以上投与を続けると、完全に投与を中止してからその機能の回復には、 6〜 9カ月の期間が必要です。したがって、その間に手術などを受ける場合には、そのストレスに対応するためにも、維持量の補充が必要です。

(3−2) 治療方法2(パルス療法)

ステロイドパルス療法は、点滴によりステロイド剤を通常3日間程度大量投与する治療方法で、間質性肺炎の症状が急に悪化(急性憎悪)した場合や経口投与で改善が見られない時等に行われます。

本療法で、よく使用されるのはメチルプレドニン(ソル・メドロール)という薬剤で、 たとえば1日 1回1000mg(ソル・メドロールはプレドニゾロンの1.25倍の強さなのでプレドニゾロン換算で1250mg)を 3日間投与した後にプレドニゾロン等の経口剤に切り替え、その量を漸減させていきます。
パルス療法 pulse therapy(超大量ステロイド療法)には、鉱質ステロイド作用が少なく、比較的作用時間の短いメチルプレドニンが適しているといわれています。

(経験談)
初日の点滴後1時間ぐらいたって、髪の毛が濡れるほどの汗がでました。また、指で測る酸素値や微熱を下げるという点については即効性ありませんでした。いずれの数値も3日間の点滴終了後さらに3日位たってから効果が出てきました。i.e.酸素値が上がって、微熱が取れてきました。また、パルス療法を実施後数日が経過して胸と首ににきびのようなものが大量に出てきました。なお、これはパルス療法をやってホルモンを大量投与した結果で心配ないとのことです。

(4) ステロイド剤の副作用

副作用は、臨床的には生命に危険を及ぼす重大な副作用major side effectsと、危険の少ないその他の副作用minor side effectsに分けられます。

なお、重症副作用の出現頻度は、報告者によって異なりますが、一般に10〜20%とされています。重大な副作用が出現した場合には、ステロイドの投与を継続することが困難となりますが、長期大量投与例では、急に中止すると急性副腎不全を起こすおそれがあるので注意が必要です。

ステロイドの重大な副作用

(1)感染症の誘発または増悪
(2)続発性副腎皮質機能不全、糖尿病
(3)消化性潰瘍(その他、消化管出血及び穿孔)、膵炎
(4)精神障害(重篤なうつ病など)、痙攣
(5)骨粗鬆症、大腿骨及び上腕骨などの骨頭無菌性壊死、ミオパチ−
(6)緑内障、後嚢白内障 → 定期的に検査
(7)血栓症

その他の副作用

(1)内分泌 月経異常、男性化(ざ瘡、多毛)など ←男性ホルモン様作用
(2)消化器 下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲不振、食欲亢進など ←胃酸増加、粘膜刺激
(3)精神神経系(軽度精神症状) 不眠、情緒障害、多幸感、頭痛、めまい ←電解質異常特に細胞外のNa+増加及び脳酸素消費減少
(4)筋・骨格 筋肉痛、関節痛、 筋萎縮、筋力低下(ステロイドミオパチ−)  
(5)脂質・蛋白質代謝 満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝、中心性肥満、体重増加 →脂肪沈着異常(体脂質の分布変化)
注)脂質は顔面、胴体部、頚に蓄積し、四肢で減少する。
(6)体液・電解質 浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカロ−シスなど
注)尿細管におけるNa+再吸収促進(水分の組織内貯留)、K+ の排泄増加
(7)眼 中心性漿液性網脈絡膜症などによる網膜障害、眼球突出など  
(8)血液 白血球増多など
プロトロンビン時間を短縮、プロトロンビン単位を増加
→血栓
(9)皮膚 瘡、多毛、脱毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、皮膚の菲薄化・脆弱化、皮膚線条、掻痒、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、脂肪織炎など  
(10)過敏症 発疹など  
(11)その他 発熱、疲労感、ステロイド腎症、精子数及びその運動性の増減  


1.2 免疫抑制剤

間質性肺炎の治療に使われるのは、主にアザチオプリン(商品名イムランなど)とシクロフォスファミド(商品名エンドキサン)、シクロスポリン(商品名サンディミュンなど)の3種類です。これらのうちのどれかをステロイド剤と併用します。投与量は最初少なく、だんだん増量してゆきます。ただ、いくら量が少ないとはいえ白血球が減ったり、生殖細胞に影響がでたりするため、男女を問わずとくに若い人には使いにくい面があるというのが難点です。 


2.対症療法

咳をやわらげるためにリン酸コデインなどの咳止め薬を使います。息切れが強いときには酸素吸入が症状を楽にします。病気が進めば在宅酸素療法により、自宅で、あるいは出かけるときにも酸素吸入ができます。

在宅酸素療法とは、酸素を生成する器械を家庭に設置し、経鼻カニューレという管で鼻から酸素を1〜4リットル/min(量は症状に依存)を持続的に投与する方法です。また、外出時は経鼻カニューレを携行型の酸素タンクに付け替えて外出します。

なお、在宅酸素療法の利用には保険が適用されます。また、利用方法の詳細については病院(実際は病院に来る業者?)から説明を受けることが出来ます。

 
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